商船三井ケニア社
2025年11月26日

ケニアのビール文化を味わう:Tusker・White Cap・Savannahの魅力

     ケニアを訪れるなら、現地のビールを味わうことは旅の楽しみのひとつ。アフリカの太陽の下で飲む冷えたビールは格別です。今回は、ケニアで広く親しまれている2種類のビール「Tusker」「White Cap」とアップルサイダー「Savannah」について、その味わいだけでなく、背景や文化も含めてご紹介します。

🍺 Tusker – ケニアの国民的ビール(3種類)

Tuskerは1922年に創業されたEast African Breweries Limited(EABL)によって製造されている、ケニアを代表するビールブランドです。ラベルに描かれた象のロゴと「Bia yangu, Nchi yangu(私のビール、私の国)」というスローガンが印象的です。ケニア最大のビールブランドとしての地位を確立しています。

サバンナの風景(アカシアの木と山)を背景に、タスカーラガー、タスカーモルト、タスカーライトのボトルが並んだイラスト。
Tusker Lager
  • 味わい: すっきりとしたペールラガーで、軽めの苦味と爽快感が特徴。
  • アルコール度数: 4.2%
  • おすすめ: 暑い気候にぴったりの飲みやすさ
Tusker Malt
  • 味わい: 醸造期間が長く、より深い味わいとコクがあるプレミアムラガー。
  • アルコール度数: 5.0%
  • おすすめ: 食事と一緒にじっくり味わいたいときに。
Tusker Lite
  • 味わい: 低炭水化物で軽やかな飲み口。自然素材を使用。
  • アルコール度数: 4.0%
  • おすすめ: カロリーを気にする方やライトな飲み口を好む方に

名前の由来: 「Tusker(タスカー)」とは英語で「牙を持つ象」を意味します。創業者の一人であるジョージ・ハーストが象の狩猟中に亡くなったことを悼み、兄チャールズがその名をビールに冠したと言われています。

泡がたっぷりと立ったホワイトキャップビールのグラスと、横に置かれた開栓済みのホワイトキャップのボトル。
❄️ White Cap – ケニア山の清涼感を感じるビール

White Capは、ケニア山(Mount Kenya)の雪をイメージしたラベルが印象的なプレミアムラガーです。ケニア山は標高5,199メートルで、アフリカで2番目に高い山として知られています。White CapもTuskerと同様に、ケニア最大の酒類メーカーであるEABLによって製造されています。

  • 味わい: 麦の風味が強く、コクのあるラガー
  • アルコール度数: 5.0%
  • 特徴: 砂糖を使用していないため、より自然な麦芽の味わいが楽しめます。
  • おすすめのシーン: ゆっくりとした夕暮れ時や、食事と一緒に楽しむのがおすすめ。

名前の由来: 「White Cap(ホワイトキャップ)」という名前は、ケニア山(Mount Kenya)の雪をかぶった山頂を意味しています。ラベルにもその象徴である白い山頂が描かれており、ケニアの自然の美しさと清涼感を表現しています。


🏢 参考:East African Breweries Limited(EABL)について

TuskerやWhite Capを製造するEABLは、1922年に「Kenya Breweries Limited」として創業されました。当時のケニアはイギリスの植民地であり、EABLもその時代の流れの中で設立された企業です。
1935年にはタンザニアの「Tanganyika Breweries」を買収し、翌年には両社が合併して「East African Breweries Limited」となりました。1954年にはナイロビ証券取引所に上場し、現在ではケニア、ウガンダ、タンザニア、南スーダンに子会社を持つ東アフリカ最大級の酒類メーカーです。2000年にはイギリスの酒類大手「Diageo」がEABLの筆頭株主となり、グローバルな展開も進めています。

🍏 Savannah – フルーティーなサイダー

Savannahは南アフリカ発のアップルサイダーですが、ケニアでも非常に人気があります。ビールとは一味違う、甘酸っぱい爽やかさが魅力です

テーブルの上に置かれた3本の冷えたサバンナ・ドライサイダー。背景には座っている人が見える。
  • 味わい: リンゴの自然な甘みと酸味がバランスよく、炭酸も強めで飲みごたえあり。
  • アルコール度数: 6.0%
  • おすすめのシーン: ビールが苦手な方や、軽く飲みたいときにぴったり。女性にも人気です。

🏢 参考:製造元: Heineken Beverages(旧 Distell Group)について
Savannahは、1996年に南アフリカのDistell Group Limitedによって初めて製造・販売されました。現在はHeineken Beveragesが製造を引き継いでおり、世界60か国以上に輸出されているグローバルブランドです。

  • 製造地: 主に南アフリカ・西ケープ州のElgin Valley(エルギン渓谷)で収穫されたリンゴを使用。製造はSprings市のKHS工場で行われています。
  • 製造工程: リンゴを圧搾し、マイクロフィルターで三重濾過、二重冷却を行うことで、クリアで爽快な味わいを実現しています。

Savannahは「It’s Dry, But You Can Drink It(ドライだけど飲みやすい)」というユニークなキャッチコピーで知られ、南アフリカ最大のサイダー輸出ブランドとして世界中で親しまれています。

🍻 ケニアのビール事情

ケニアではビールの消費量が年々増加しており、都市部を中心に若者層の間でクラフトビールやサイダーの人気も高まっています。Tuskerは圧倒的なシェアを誇り、White Capはプレミアム志向の層に支持され、Savannahはフルーティーな選択肢として定着しています。

タスカー、ホワイトキャップ、サバンナのボトルが並ぶテーブルを囲み、3人が笑顔で座っているイラスト。
まとめ

ケニアのビールは、その土地の文化や気候を反映した個性豊かな味わいが魅力です。Tuskerでケニアの定番を、White Capで山の清涼感を、Savannahでフルーティーな変化球を楽しんでみてはいかがでしょうか?
次回のケニア旅行や出張、アフリカ料理とのペアリングにぜひ参考にしてください!


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