前回のMOLモーリシャスのブログ記事では、2021年に別の日本の海運会社が所有し、当社が運航していたばら積み船の座礁事故を受けて、MOLチャリタブル・トラスト(MCT)とMOLモーリシャス国際基金(MMIF)を設立した経緯をご紹介しました。
過去4年間で、MCTとMMIFはモーリシャス全域で70以上のNGOやプロジェクトを支援し、環境の修復・保護、持続可能性、地域社会の発展に貢献し、数千人の受益者に影響を与えてきました。 ステークホルダーに対して、モーリシャスでの活動とその影響をわかりやすく伝えるため、以下のビジュアルツールを作成しました。
モーリシャスMOLフラッグマップ
このマップには、MCTまたはMMIFの資金提供を受けたNGOやプロジェクトの場所に64本のMOLの旗が描かれています。一部の旗は、複数年にわたって資金提供を受けたNGOや、異なる年に複数回助成を受けたプロジェクトを示しています。
事故の影響が大きかったモーリシャス南東部や東部に支援が集中していることが一目でわかりますが、モーリシャス全域のNGOやプロジェクトにも支援を行っています。
MCTワードクラウド
以下のワードクラウドは、CFP1からCFP4までのプロジェクトを対象としたMCT年次報告書に頻出する意味のある単語を示しています。
このワードクラウドは、環境や持続可能性の課題が強く地域社会と結びついていることを再認識させます。地域社会との協働、教育、エンパワーメントは、持続的な成果を達成するために不可欠です。
MCTの年次報告書(CFP1~CFP4)や、支援を受けたNGOやプロジェクトの詳細は、MOL for Mauritiusのウェブサイトでご覧いただけます。
2026年以降に向けて
2026年を見据え、MCTの第5回プロジェクト提案募集は2025年9月末に締め切られ、モーリシャス全域のNGOから70件以上の応募がありました。
過去2か月間、MOLモーリシャスはI61財団の支援を受け、応募されたNGOやプロジェクトの現地訪問を含む審査・デューデリジェンスを実施し、MCTの7名のエンフォーサーによる意思決定を支援しました。I61財団は、選定されたNGOやプロジェクトの実施段階におけるモニタリングと評価も継続的に支援します。
2026年はMCTの5年間の任期の最終年にあたるため、MOLはモーリシャスでの環境・社会活動の実践経験を振り返り、これらの活動や学びをMOLのグローバルCSR活動にどう統合するかを検討しています。今後、MOLモーリシャスのCSR活動は、MOLのグローバルなサステナビリティ経営計画の重点分野(海洋環境、次世代人材育成、地域社会課題への対応)と中期的な企業価値向上に密接に連携していきます。
MOL 社長の橋本は、2025年10月の社内CEOブログでMOLの方針を以下の通り述べています。
「社会との強固な関係を築くことが、企業の長期的な成長の基盤であると信じています。企業発展を妨げる過度な人的・財務的負担を背負うことはできませんが、可能な範囲で一貫して有意義な貢献を追求すべきです。」
MOLモーリシャスにとって、今後の課題は「どのようにして可能な範囲で有意義な貢献を続けるか」です。
モーリシャスや地域での事業開発を通じて企業のキャパシティを拡大する取り組みと並行して(詳細は今後のブログで紹介予定)、支援するNGO間のデータやベストプラクティスの共有、リソース配分の最適化、シナジー創出を強化します。また、ビジネスモデルとソーシャルモデルを組み合わせ、持続的なインパクトと財務的持続可能性を両立できるバリューチェーン開発にも積極的に取り組みます。
まずは、2026年1月にMCTプロジェクト授賞式を開催し、MOLモーリシャス・フラッグマップに新しい旗を追加することを楽しみにしています!